ボーズ・ビー・フリースタイル>杉本恭子さんのレポート

コモンズフェスタ2009/2010「U35の実力」、モニターレポートシリーズ、「ボーズ・ビー・アンビシャス関西」「フリースタイルな僧侶たち」のコラボレーションで行われた「ボーズ・ビー・フリースタイル」のトークイベントについて、超宗派仏教徒によるインターネット寺院「彼岸寺」でお坊さんインタビュー集「坊主めくり―現代名僧図鑑」を担当されている、杉本恭子さんに寄せて頂きました。




私が住んでいる京都にはたくさんの社寺があります。京都に住む人にとっては、大きなお寺の境内は子供の遊び場(広いですからね)であり、通勤通学の通り道。あるいは、仕事の合間の休憩場所でもあったりします。そして、年間を通じて全国からたくさんの方がお寺を見に来られています。場所として、あるいは建物は人々の暮らしのなかで生きていますし、昨今の仏像ブームもあり仏像は美術品として高い関心を集めています。でも、ちょっとヘンだなと思うのです。そのお寺を支えている人たち、あるいはその場所や建物を「お寺」にしている人たち、つまりお坊さんとの出会いが少ないのではないでしょうか。

京都でライターの仕事をしていると、京都をテーマにした雑誌などの取材で、たびたびお寺に伺うことがあります。すると、建物より仏像より(失礼!)お坊さんたちのお話の方がズッと面白いのです。なにげない話のなかにも「それもご縁……」などと仏教テイストな言葉をスッとさしはさまれたり、仏教的なものの見方で考えておられたり。しかも、その「仏教テイスト」がなんだかとても私たちの感覚に沁みるんですね。そんなこんなで、お坊さんに対する関心が高まりすぎて、昨年春から『彼岸寺』というウェブサイトでお坊さんのインタビュー連載をしています。

今回は、ずっと行ってみたかった應典院で、先日インタビューしたばかりの池口龍法さんがトークされるということでワクワクしながら参加しました。ところで、お坊さんっていうと「すごい修行して話しかけるのも恐れおおいんじゃないか」とか、「ベンツで豪遊してるんじゃないか」とか、いずれにしても極端なイメージでとらえられがちですよね。でも、池口さんや他のお坊さんたちのお話される様子を見ていると、お坊さんたちも一生懸命悩みながら仏教を表現する方法を模索しておられるのだなと思います。

お寺にはお寺の伝統的な世界があり、守らなければならないことや受け継がなければいけないこともあります。でも、お寺のなかに生きるお坊さんたちが「現代に生きる方法」を考えてくれないと、私たちが大好きなお寺もまた現在に生きることができません。池口さんや、参加されていたお坊さんたちの熱い思いと、「お寺が好き」「仏教が好き」と思われる方々の気持ちが結び合っていくことで、日本のお寺とお坊さんから新しいムーブメントがどんどん生まれてくるんじゃないか。そしたら近ごろ暗い話題の多い日本もちょっと気楽になるんじゃないか……。そんなことを期待してしまうようなトークライブでした。

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