ことばくよう>さとうひさゑさんのレポート

コモンズフェスタ2009/2010「U35の実力」、モニターレポートシリーズ、今回は「4つの物語」と銘打ち、震災15年のことばを取り扱った企画「ことばくよう」のトレースからご参加いただいた、さとうひさゑ(ART PLAN MAZEMAZE)さんに寄せて頂きました。




「ことばくように参加して」 さとうひさゑ

 わたしは今回の催しに参加している間複雑な気持ちでした。
手紙を写したり、朗読したりしながら、わたしがこの言葉を供養するのに適切な人間なのだろうか、と。
手紙に書かれたことばと、その向こうにある人と、今ここにいる自分。
 また、ほかの参加者が読み上げる手紙の内容を聞いていると、より気持ちをどこに置いていいか分からなくなりました。
震災という起点から始まるそれぞれの経験、それぞれの気持ちそして1995年1月17日から現在までの時間…
わたしとは安易に共感できない距離がありました。

 最後に手紙を火にくべてると、初めて自分の感情らしきものが湧いてきました。悲しくて燃え尽きるまで見ていたいと思いました。

 途中進行役の岩淵さんが、今回の仕掛けについて「お葬式のときにお坊さんはどんな気持ちなんだろう」ということから発想した、とお話されました。
 数日たった今思い返すと、わたしが感じた「距離感」はそういう宗教者の気持ちなのではないかと感じてきました。
 「ことば」と「供養」の間をとりもつ触媒になる体験だったのだろうと思います。

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