コモンズフェスタ2009/2010「U35の実力」、モニターレポートシリーズ、今回は「4つの物語」と銘打ち、震災15年のことばを取り扱った企画「ことばくよう」に、2通のお手紙を寄せていただき、また、20日のワークショップにもご参加いただいた、倉田めばさんに寄せて頂きました。
「ことばくよう」では詩の学校で書いた2篇の震災にまつわる詩を送ったものの、まだこの企画の全体像がつかめておらず、最終日「浄焚の声と火に見えるもの」を見届けようとコモンズフェスタの会場にでかけました。
應典院2F気づきの広場でたまたま手にしたのは、被災され、かけがえのない肉親を喪った年配の女性がしたためた一通の悲痛な手紙でした。
場所を幼稚園の一室に移し、その達筆な手紙の上にトレペを重ね、文字をゆっくりと丁寧に鉛筆でなぞっていくワークと手紙に書かれた言葉を朗読するワークを参加者全員で行いました。
15年前、震災直後の報道を見たり、用事で神戸に出かける機会もあり、実際に被災された方の言葉を聞いたりもしましたが、この方の手紙の言葉をなぞったり、声に出して読んでみてはじめて、被災された方の心の痛みが感情の深いレベルで少し実感できました。なんというトラウマでしょう!喪失感・・・罪悪感・・・悲嘆・・・慙愧の念。そして死者への誓いと祈り。
言葉にされることない心の爪あとは、深い傷口を開いたまま、水平線の見えない暗黒の海に死者とともに呑み込まれていきます。トラウマは語ることで回復に向かうといいます。
「ことばくよう」のフィナーレは大蓮寺での手紙のお焚き上げ。燃え盛る火の中で手紙を書かれたこの方の心の傷はずいぶん癒されたのだろうと手を合わせながら信じることができました。
願わくはもっと多くの被災された方々が、この企画を知ることができればと思いました。
2010.1.31めば
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