手仕事は語る>中尾幸子さんのレポート

コモンズフェスタ2009/2010「U35の実力」、モニターレポートシリーズ、今回は大石尚子さんによる「ITOあそび」と小野千佐子さんによる「つきいちcafe」のコラボレーション企画、「手仕事は語る」について、中尾幸子さんに寄せて頂きました。



温故知新~手仕事から気づいたこと~

今回進行役をされていた小野千佐子さん(株式会社ティプア代表)に紹介いただいたことがきっかけで参加しました。
小野さんとは、私が担当している「カフェバー南ぬ風」の自然(じまま)生活雑貨コーナーでティプアさんの布ナプキンを取り扱わせていただいているというご縁です。(めちゃめちゃキュートな布ナプキンですよ!)
私自身は昨年から布ナプキンを使うようになり、その快適さに「なんでだろう」と疑問をいだくようになりました。
今回のテーマが、「糸をまとうからだ、からだをまとう糸」だったので、何か糸口がみつかりそう!!楽しそう!とわくわく参加しました。

「糸を紡ぐ」ということは、初めての体験でしたが、細かい手作業で予想外に難しかったです。少し紡げたと思ったら縒りが甘くてすぐに切れての繰り返しでした。手元を気にしながら、皆でぽつぽつと語り始めました。

講師の大石さんが糸を紡ぎだしたきっかけは、阪神・淡路大震災だったそうです。震災で生活のパイプラインがストップした時、無力さを感じたためと。
大石さんの話から、その当時の悲しみがすごく伝わってきました。「なんで生き残ってしまったんだろう」と感じたとおっしゃられていました。
でも、その経験から糸を紡ぐということを実践し、教え、人々に自立力を促している姿は、本当にすばらしいと私は思いました。

私たちは、「衣食住」何かが欠けても、生きていくことは困難だと思います。

大石さんが「衣食住」の中でなぜ「衣」を選ばれたのか。それは、それぞれに考え方の違いはあると思いますが、「食」は自然の力でできたものを頂くことができます。「住」も場所によるかもしれませんが、すぐ死につながることはないと思います。
「衣」は、技術が要ります。私は手元でどんどんほつれていく糸を見て、すごく納得してしまいました。

また、昔の人はこんな風に糸を紡ぎながら、何を語っていたんだろうと妄想しました。
その時語っていることは、もしかして糸にも紡がれていってるのかな。ふとそう感じました。

手織りのものに、ぬくもりを感じること。紙ナプキンから布ナプキンに変えて快適な月経になったこともすべて繋がっているのかなと感じました。

私たちは、発展や便利を求めすぎて、すぐに何か大切なものを忘れがちになっていると思います。

自分を含め大切な人を守りたい時、今もっている裕福さはどのくらい力をもっているのでしょうか。

「古きをたずねて新しきを知る」昔の技術や考えを学び、「今」に生かしていく。
大切なことを学ばせていただきました。本当にありがとうございます。

中尾幸子


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