トランスするお寺

通いなれた應典院に足を踏み入れる。

とそこに広がる空間は通常のそれとは似ても似つかない。
まったく別の場所へとトランスしている。

それがコモンズフェスタ期間限定の花村周寛さんによる
空間プロデュース企画「トランスパブリック」。

ロビーは標識が垂れ下がり
安全第一の金網で仕切られている。















金網の中には様々な椅子たちが。
これはこのためにご提供戴いたプライベートチェアで
実際に「誰か」の「何処か」で使われている椅子たちだという。
そして机上に置かれた椅子履歴書には
その椅子が「何処か」に来た経緯から
所有者の思いまでが書かれている。















その履歴書を読みながらそれぞれの椅子に身を沈めてみると
なんだかそのお宅にお邪魔しているようなこそばゆい感じになる。
プライベートな空間がパブリックに突如出現した
違和感でありながら新しい空間と感覚を肌と心で感じる。

そしてたくさんの標識に誘われるように2階へと進むと















眼前に現れる公園。
敷き詰められた芝生にブランコ。
そしてブランコからはガラス張りの窓の向こうのお墓が見える。
ブランコに腰かけて眺めていると
体から幼少期の記憶が蘇り
頭からはこの先の自分への思考が流れ出す。
これもまた混在と混沌とした空間。


思いを巡らせながらふと気付く。
公園空間のあちこちに手紙が置かれている。
手に取ってみると・・・・・・
それはまた別のレポートで。


いつもの應典院では
いつもの日常では
なかなか出会えない
プライベートとパブリックが倒錯した空間。
そこで過ごすと日常ではあまりお目にかからない
感情がわいて来る・・・かもしれません。

ぜひ体感して実感してください。




                     (T.K)

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