「諸法無我」との出会い【1/18:「お寺MEETING」のレポート】

 多くの方が参加され、熱気のムンムンの中、その熱気をある意味、冷ましたのが、ひとさじの会事務局長の吉水岳彦さんのたたずまいでした。
 立ち居振る舞い、語り口に何ともいえない厳粛な気持ちになりました。
 吉水さんの「ひとさじの会」は、浄土宗僧侶が設立したお念仏の信仰を持って社会的弱者の支援を行う団体です。生活困窮者の葬送支援や炊き出し夜回りなどを中心に活動をしておられます。
 特に印象に残ったのは、2007年末、葬送支援の「お墓プロジェクト」が、もやいサロン「こもれび荘」中で行われ、そこである元ホームレスの男性が 「路上で生活するようになって、一度あらゆる縁を立ってしまった。しかしもやいの活動のおかげでアパート暮らしに戻り、新しい仲間も出来た。自分が死んだ時、この親しい仲間たちと一緒のところに往くんだと思えたら、僕は残りの人生をもっとしっかり生きられるように思う」と語られたそうです。
 無常な世の中であるが、もしもの時、本当に大切な人と必ず同じところで再び会えると約束してもらえるならば、これほど心強いものはないでしょう。
 それのような役目を「お墓」が持っているのですと吉水さんは語られました。
 また「諸法無我」といって、同じ世を共に生きている限り、自分と無関係なものなど一つもない。それはわたしたちが相互にかかわり合わなければ生きていけないことを示すだけでなく、社会における困難な問題をわがことと直視すべきことを教えてくださっている、という言葉に感銘を受けました。
 今日は吉水さんに出会えて幸せな気持ちになった。「人格」というのは大切な要素だと思いました。
 慈しみに満ちた社会をめざして、ともに活動したいと思いました。


(浦嶋偉晃・應典院寺町倶楽部会員)

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