ARCトークコンピレーション>佐藤彩子さんのレポート

築港ARCのトークコンピレーション、30回目の最終回。
普段は大阪港の築港ARCで開催されるけれど、今日は日本橋の應典院で。

会場が劇場なので、広く天井も高く、少しふわふわとした気持ちになっていた。ゲストとファシリテータ2人も、いつもの横並びではなくテーブルごしに向かい合っていた。

今日のゲストは花村周寛さん。
「ものの見方を変えることで、風景自体をいじらなくても違う風景が見える」という考え方に、感心する。

「銀行のシャッターの前で椅子を用意してヤクルトを売るおばちゃん」が紹介される。誰かがセッティングした訳でなくても、自分でそうやって街の中で場所を見つけていく人たちがいる。
街に新しいデザインしたものを置かなくても、ここにスキマがありますよ、ということを気づかせるだけで、街の新しい使い方が生まれたりする、とのこと。

「街でやってはいけないと思うこと」「やってみたいと思うこと」の皆の質問や、その回答も含めて、何をパブリック/プライベートと思っているか、という微妙な境界を問い直すという風に理解した。
街で好きなところに自由に座ってみたい、と思っている人は自分も含めて多いようだ。



2部のパーティでは、これまでのトークを振り返りつつ、何人かのゲストの話を聞くことができた。
私がトークコンピレーションに初めて参加したのは、ちょうど2年前。場所もこの應典院で開催された回だった。今日数えてみたら、30回開催中9回も参加していた。

少し前に、「どうして(トークイベントに)行くの?」と聞かれた。
咄嗟にはうまく答えられなかったけれど、私は話を聞きに行っているというよりは、
ゲストと、ファシリテータ2人の間に交わされる言葉を拾って、それを触媒のようにして、その時々の自分の考えを進めたり、回によって関心の重なる知り合いと出会ったり、話をしたりすることを楽しみにしていたのだと思う。


サードプレイスという言葉がある。人には家でも職場でもない第3の場が必要だという意味だそうだ。私にとって、築港ARCはそういう存在だった。
ここで出会った人たちと仲良くなり、他の場所でも会うようになり、時には仕事を頼まれ、知り合いと友達と仕事という関係性がグラデーションのように積み重なっていく。
今大事に思っている人間関係の多くが、2年前の出会いを起点にしている。

最終回はさみしいけれど、きっといろんな形の「続き」があるだろう。


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